あら古希の戯れ言

9月入学? 今じゃない

番匠川の写真

およそ3ヶ月ぶりの更新になる。何も書いていないわけではない。下書きはたまっている。書き上げる気力がないのだ。所謂コロナ鬱というやつかもしれない。何もやる気が起こらない。いろいろ書きたいことはあるのだけれど、新型コロナウイルスが頭から離れない。
そこでしばらく新型コロナウイルス騒動について、私見を書いてみることにした。まずは学校再開について書いてみる。

今は9月入学を議論するべきときではない

9月入学のメリット、デメリットに関しては、メディアで様々取り上げられている。私がここで再度論ずる必要はないだろう。私は九州の片田舎で個人塾を営んでいる。公立の小・中・高に通うごく普通の生徒を相手に教えている。休校中の生徒たちの様子を観察する中で、感じたことが多々ある。メディアなどの切り口とは別の視点から学校再開について書いてみたい。

生活リズムの乱れ

先日、朝日新聞の読者の声欄に小児科医の先生の投書が掲載されていた。精神に変調を来す生徒が増加しているという。私の塾の生徒の中にも、生活習慣が乱れている生徒が何人かいる。
「5時頃までゲームをしていて、朝11時に起きた」という女子中学生。
「1日に7時間ゲームをしている」という男子中学生。
ほかにも、ライトノベルに夢中になって、夜遅くまで夜中まで起きている生徒など。
学校が再開されたとき、彼らは生活リズムを取り戻せるだろうか?

段階的に開校するべき

これまで千人近くの生徒を指導してきた。その中で、生活のリズムを壊して不登校になる生徒を何人か見てきた。夏休みなどの長期休暇の間、ゲームやライトノベルに夢中になって、昼夜逆転の生活に陥り、休み明けに学校へ登校できなくなる。学校へ行かなければと思っても、身体がいうことをきかなくなるのだ。
私のような弱小塾でも数人の生徒が夜眠れないと言っている。全国的見て、この2ヶ月間の休校措置の間に、生活習慣が乱れている生徒はかなりの数に上ると推測できる。このまま休校措置を続けていけば、精神の不調、不登校などの問題が噴出してくるだろう。今当面の課題として、この問題に取り組む必要がある。9月入学を論じている時期ではない。
新型コロナウイルスの感染防止という観点から見ると、ずっと休校にしておくのがよいのだろうけれども、生徒の学習の遅れ、心身のケアを考えると、感染者の少ない地域から、一刻も早く学校を再開した方がよい。東京などの大都市は別として、地方は感染者が減っている。私の市では未だに感染者が0である。こういった比較的安全だと思われる地域から再開していって、遅くとも6月には普通の状態に戻すべきである。もちろん感染者の増加が起こらないという条件のもとではあるが。
とにかく来年の3月に卒業できるように今は全力を尽くすべきだ。

学習の遅れも取り戻せる

どのくらい遅れているのか

例年、新学期が始まってから5月の連休明けまでは、あまり授業は進まない。私の地域では春に運動会を開催する学校が多く、授業も自己紹介やら運動会の練習やらでつぶれることが多い。そのため中間テストを実施するには範囲が狭すぎるとして、1学期の中間テストは実施しないという学校も増えている。遅れを取り返すのは難しいことではない。夏休みを半分くらい縮めれば、カリキュラムの縮小、一部行事の中止などで十分取り戻せるはずだ。

オンライン授業への幻想は捨てよ。テレビを活用せよ。

世の識者はどなたもオンライン授業の環境を整えよとのたまう。識者に限らず、教育に関心のある方の多くは、子供時代勉強のよくできた方が多い。彼らは自分の尺度で考えている。確かに能力の高い子の集まる私立や高偏差値の大学では効果はあるだろう。しかし一般の公立の小中学校ではどうだろう。いろいろな生徒を見てきた私には、オンライン授業が有効だとはとても思えない。オンライン授業に集中できる子は全体の1割から2割だと思う。オンライン授業の態勢を整えるのにかかる経費や労力を考えると今やるべき事ではない。学校の先生方が慣れて、使いこなせるまでにどれだけの時間が必要か、考えていただきたい。もっとやるべき事があるはずだ。
この非常時にあたって、文科省ももっと柔軟に考えて欲しい。学校の再開が遅れる地域では、テレビを使うべきだ。授業の上手な先生が教科書を解説する番組を放送すればよい。ほとんどの家庭にはテレビがあるだろうし、ビデオデッキもあるだろう。ない家庭に補助するにしてもたいした金額にはならない。登校日にテストをして、ある一定の得点が取れれば、単位認定をすることにすればよい。理解できていない子には、臨時の教員を採用して指導する体制を取ればよい。この場合、正規の授業ではないので、教員免許はいらない。十分な人材は確保できる。

まとめ

拙速な9月入学決定には断固反対。文科省はやるべきことをやってから9月入学を検討せよ。9月入学にすれば、学習の遅れを取り戻せるといった責任を放棄した態度で9月入学にしたとしても失敗は目に見えている。とにかく3月卒業を目指して全力を挙げるべきときである。