犯罪被害者遺族として

意見等聴取制度を利用することにした

モッコウバラの写真

地方更生保護委員会から、母を殺した犯人の仮釈放審理が始まった旨連絡があった。仮釈放審理の際、被害者や被害者遺族が意見を述べることのできる「意見等聴取制度」があるとのこと。実際に審理を担当する委員の方と直接お話ができるとのことで、利用することにした。

意見等聴取制度とは

同封されていたリーフレットによると

地方更生保護委員会に対して、加害者の仮釈放、仮退院に関するご意見や、被害についてのお気持ちを述べることができます。

とある。
更生保護委員会の担当の方に電話でお伺いしたところ、実際に審理を担当する委員の方に直接訴えかけることができるとのことである。述べた意見は、仮釈放を許可するかどうかの判断材料として考慮される。弟や妹とも相談して、利用することにした。今、自分の中で意見をまとめているところだ。

被害者支援リーフレット被害者支援リーフレット

加害者処遇状況等通知制度

別記事にも書いたけれども、このような制度ができていたこと自体知らなかった。地検から電話を受けた際、犯人の仮釈放の審理結果を知りたいと言うと、「加害者処遇状況等通知希望申出書」を提出して欲しいとのこと。これを提出しておくと、仮釈放審査の際に、地方更生保護委員会から「意見等聴取制度」がありますよと連絡してくれる。また半年に1回、受刑者の様子を書面で通知してもらえる。
検索してみると、「被害者等通知制度」は平成11年に、「意見等聴取制度」は平成19年に始まったようだ。最近の事件では、裁判が終わった後に検察官から通知を希望するかどうか尋ねられるようだけれども、私達のように、事件から20年以上経過している場合は、制度があること自体知らない方がたくさんいらっしゃると思われる。

受刑者の様子を知りたいと思ったら、被害者ホットラインに電話するといいですよ。「被害者ホットライン」で検索すると出てきます。

受刑者の様子、詳しいことはわからない

犯人が本当に反省、改心しているのなら、仮釈放に同意してもよい。しかし送られてくる通知だけでは、犯人が何を考えて日々を過ごしているのかは分からない。受刑態度などが、数段階に分けた成績で知らされるだけだ。全国にどれだけの受刑者がいるか分からない。かなりの数の受刑者がいるだろう。もっと詳しく知りたいと思っても、ひとりひとり丁寧な報告をするというのは、物理的に無理なことは分かる。しかしもっと知りたいと思う被害者や被害者遺族に便宜を図ってくれるよう制度を改善して欲しい。

その他の被害者等支援(裁判終了後)

心情等伝達制度

仮釈放が許可されて、保護観察中の加害者に、被害に関する気持ちや意見を加害者に伝えることができる制度。

相談・支援

被害を受けた事による悩みや不安を抱えている人が相談できる制度。相談に応じてくれたり、他の支援機関や団体の紹介もしてくれる。被害者や被害者遺族は誰かに相談しようと思っても、なかなか難しい面がある。こういう制度はありがたい。

経済的、精神的に悩みや不安を持っている人は、相談してみたらいかがでしょうか。居住地の保護観察所に電話してみるといいそうです。話を聞いてもらうだけでも、ずいぶん気が楽になりますよ。「保護観察所」で検索すると出てきます。